2008年10月13日

第75回 NHK全国学校音楽コンクール 全国コンクール 高等学校の部 2008.10.13.

NHK全国学校音楽コンクール、高等学校の部の全国大会。NHKホールへ行ってきました。あまり良い席ではないかと思っていたのですが、端でなく中央のブロックの席でしたので聴きやすかったです(座席指定あり)。

私は、高校の時はピアノにはまって合唱しませんでした。このコンクールをテレビで観ることもあったような、なかったような…?

その後、高等学校の部はテレビで観たり、2002年にはNHKホールへ聴きに行ったこともありますが全部門聴いたのは久しぶりです。

さて今年の課題曲は「青春譜」。作詞・五木寛之、作曲・信長貴富。
混声四部、女声三部、男声四部(男声は今日の本選に残っていません)。
とてもいい曲です。女声三部は声部がひとつ少ないのでやや負担が多いようですが、過去の課題曲やそれとは関係なく合唱曲は女声三部が主流でしたので、特にどうのこうのはありません。演奏効果として音だけ聴いても他と遜色ありませんし。

自由曲は5:00以内。歌う人だけで40名以内です。

では出場校。

1 福島県立安積黎明高等学校 3年連続22回目
童声合唱とピアノのための組曲「のら犬ドジ」から“みつめてる” 女声三部
作詞・蓬莱泰三 作曲・三善晃
東北ブロック代表 福島県

2 出雲北陵高等学校 2年連続3回目
無伴奏女声合唱のための「万葉恋歌」から“天の火”“山桜花” 女声四部
作詞(?)・狭野弟上娘子、大伴家持 作曲・信長貴富
中国ブロック代表 島根県

3 香川県立坂出高等学校 2年連続24回目
女声合唱とピアノのための組曲「宇宙の果物」から“曙” 女声三部
作詞・宗左近 作曲・鈴木輝昭
四国ブロック代表 香川県

4 西南女学院高等学校 4年ぶり3回目
女声合唱のための組曲「ふくろうめがね」から“花色カメレオン” 女声八部
作詞・くどうなおこ 作曲・松下耕
九州ブロック代表 福岡県

5 兵庫県立長田高等学校 3年ぶり2回目
混声合唱組曲「北の祭り」から“菱の実祭り” 混声四部
作詞・萩原貢 作曲・池辺晋一郎
近畿ブロック代表 兵庫県

6 長野県長野高等学校 初出場
混声合唱組曲「あなたへ」から“やわらかいいのち” 混声四部
作詞・谷川俊太郎 作曲・松本望
関東甲信越ブロック代表 長野県

7 北海道帯広三条高等学校 2年連続2回目
女声合唱のための「三つの抒情」から“ふるさとの夜に寄す” 女声四部
作詞・立原道造 作曲・三善晃
北海道ブロック代表 十勝地区

8 杉並学院高等学校 3年連続4回目
44わのべにすずめ 混声四部
作詞・D.ハルムス羽仁 協子(訳) 作曲・木下牧子
関東甲信越ブロック代表 東京都

9 愛知県立岡崎高等学校 10年連続16回目
アカペラによる二つの熊本民謡(2008年5月改定)“五木の子守唄”“おてもやん” 混声四部
熊本県民謡 若松正司(編)
東海北陸ブロック代表 愛知県

10 宮崎学園高等学校 7年連続19回目 
混声合唱曲集「そのひとがうたうとき」から“あい” 混声四部
作詞・谷川俊太郎 作曲・松下耕
九州ブロック代表 宮崎県

11 千葉県立幕張総合高等学校 2年連続2回目
混声合唱とピアノのための「もうひとつのかお」から“あなた” 混声五部
作詞・谷川俊太郎 作曲・鈴木輝昭
関東甲信越ブロック代表 千葉県


もう結果は出てしまっているのですが、メモを取ってきたので書いてみようと思います。

最初はよりによって福島県立安積黎明高等学校。私はこの学校のファンなんです。安積女子高校時代から好きでした。一度定期演奏会を聴きに郡山まで行ったこともあります。去年も出番が一番だったので今年こそはと思ったのですが。
まず課題曲。上手い。音色が柔らかくまろやか。言葉が明瞭でハーモニーがきれい。
自由曲。待ってました。黎明の三善。言うことなし。

2番目は出雲北陵高等学校。男性がアルトにふたり混ざっています。
きれいな声で声量もあるのですが、テンポ設定が少し遅いです。
自由曲は“あめのひ”と“やまさくらばな”と読むようです。よくコントロールされています。最後の音が微妙。ア・カペラ。

3番目は香川県立坂出高等学校。男性がひとり混ざりました。ちょっとテンポが遅いです。声が少し幼い気がします。それから声にちょっと息が混ざります。
自由曲で男性がいなくなりました。メンバーチェンジです。ソプラノが少し叫びます。アルトは地声っぽいです。曲の解釈は良いと思います。最後がきれいでした。

4番目は西南女学院高等学校。部員が25名とのこと。ずばり遅い。ピアノに音量が負けます(ピアニストのせいか)。バランスが悪く粘りますが声はきれい。
自由曲はよく仕上げてありテンポはいいですが、言葉が不明瞭です。ア・カペラ。

5番目は兵庫県立長田(ながた)高等学校。最初の男声は悪くないですが多少押します。テンポが上がるのに上手く対応ができていません。ソプラノも叫ぶというか押している感じ。
自由曲は活き活きとし始めますが、縦割りで動くところは良いのですがテンポが遅くなると少し戸惑う感じ。やはりソプラノが気になります。

ここで青春譜について作詞の五木寛之さんのコメント。「青春・朱夏・白秋・玄冬」という言葉が印象に残りました。この詩には「― 竹久夢二の絵「青春譜」によせて ―」と最後に記してあり、実際竹久夢二の「青春譜」も画面で観ることができました。

6番目は長野高等学校。21名での参加。男声が7名。男声がなかなか良いです。女声も大人っぽいですがソプラノが少し浮きます。バランスが悪い感じです。解釈は良いと思います。声量は仕方ないでしょう。
自由曲は緩急があり良いです。やはりソプラノが少し浮きますが、曲としてはよくまとまっています。ア・カペラ。

7番目は北海道帯広三条高等学校。男性が4名混ざっています。厚みのある声ですがフォルテでちょっと押します。ラストのクレッシェンドの前が強過ぎて演奏効果がなくなりました。
自由曲は、高い「ソ」が固いです。よく歌っているのですが、この曲に関しては繊細さがもっと欲しいです。課題曲も含め全体的に強過ぎます。NHKホール対策でしょうか。どちらの曲もピアニストがよく主張していました。

8番目は杉並学院高等学校。男声が17名。安定していてバランスが良いです。声量も充分。ただ少しソプラノが押す感じです。ピアノが上手過ぎます。
自由曲は選曲がいいです。言葉がきれいです。やはりソプラノが気になりましたが上手くまとめました。ア・カペラ。

9番目は愛知県立岡崎高等学校。ピアノが生徒さん。2年生。男声が18名。
前もって書いておきます。私はこの学校も好きです。
上手い。声がいいです。バランスも持っていき方も素晴らしい。ピアノがんばりました。
自由曲はよくコントロールされています。2曲続けて演奏されました。バリトン・ソロが良かったです。“おてもやん”では踊りも付きました。地声を使う箇所がありましたが、完全に使い分けています。良い演奏。ア・カペラ。

10番目は宮崎学園高等学校。男声は13名。最初の男声はたっぷりしていて良かったです。よく解釈されており、独特の美しさを持った女声も健在。
自由曲では少し男声が弱かったです。少しソプラノが押したでしょうか。解釈は良く、最後がきれいでした。ア・カペラ。

11番目は千葉県立幕張総合高等学校。ピアノが生徒さん。2年生。男声は19名。男声にもっと表現力が欲しいです。ソプラノが強過ぎでバランスが良くないです。最後のクレッシェンドの前が強過ぎて演奏効果がなくなりました。
自由曲はまずまずですが、ソプラノが気になりました。もしかしたら全パートに発声の改善の余地があります。ア・カペラ。


思っていたよりもソプラノの発声に無理がある所が多い気がしました。中学生の発声に似た感じ。声量も大切ですが、押すのはよくありません。

演奏が終わりスペシャルステージへ。指揮台撤去の作業がテキパキしています。さすが生放送。
今年のスペシャルステージは「東西合唱団PRタイム 1分間」。1分を過ぎるとドラが鳴ります。全国コンクールの日にこのようなことまでしなくてはならいとは。観ているほうは面白かったですが。関東甲信越ブロックより上が東(校名の入った白いノボリが用意されていました)、それより西が西です(こちらは赤いノボリ)。西のほうが一校多かったです。部員さんの代表・数名〜10名位で行われました。

まず坂出高校が登場。携帯のマナーの歌。定期演奏会などの始めにやるのでしょうね。
まず女子生徒さんが「携帯電話の電源を切りましょう」的なことを言った後、10人位で歌が始まりました。まぁ携帯電話の電源を切りましょう的な内容なのですが、振り付きで携帯電話を持って。笑えました。

次は東西対決。杉並学院VS宮崎学園。
杉並学院は、さだまさしさんの道化師のソネットを手話付きで、宮崎学園はフェニックス・ハネムーンという歌を。この歌はなんでも約40年前に宮崎へ新婚旅行の人達がよく行ったことから生まれた曲らしいです。
この対決はダンボールのマンゴーやサボテンのオブジェまで持参した宮崎の勝ちでしょうか。コンクールに出られなかった部員さんがオブジェを作ったのだそうです。

次は幕張総合VS出雲北陵。
幕張総合はおしりかじり虫を振り付きで。頭に触角のような物を付けていました。出雲北陵はにほんごであそぼの歌をやはり振り付きで。この対戦は、私がにほんごであそぼの歌を知らなかったので、幕張総合の勝ち。

次はちょっとハイ・レヴェル。長野VS西南女学院のミュージカル対決。どちらの学校も衣装に着替えています。この為に荷物が増えるのか。
長野はドレミの歌をサウンド・オブ・ミュージック・ヴァージョンで。ちゃんとジュリー・アンドリュースの役の人もいるんです。
西南女学院はトゥルー・ラヴ・キスという歌を(検索しても出てこなかったので私の聞き違いかも)披露。どちらも堂に入ってました。

次は岡崎VS安積黎明。
岡崎は男子のみで「岡崎いいトコ一度はおいで」的な歌を。
黎明は練習風景。パートリーダーの早口言葉付き。
どちらも面白かったです。岡崎はノリノリでした。黎明の早口言葉は凄かったです。練習している時にパートリーダーが物凄い早口で説明をしているんです。よくやりました。それから「恕」を大切にしています。とのことでした。「怒」じゃありません。「恕」思いやりということでした。

最後は帯広三条VS長田。
こちらはほのぼのとしていました。
帯広三条は普段誕生日の部員さんにハッピー・バースディを歌ってお祝いしてあげるのだそうです。そのハッピー・バースディを。
長田は青空の彼方へという歌を。

東西対決の結果は拍手の大きさで決められましたが、結局引き分けでした。


そして審査結果の発表。

銅賞・杉並学院高等学校、愛知県立岡崎高等学校
銀賞・福島県立安積黎明高等学校
金賞・宮崎学園高等学校

まぁまぁ納得の結果ですが、安積黎明の出演順が違っていたら…と思わずにはいられません。しかし宮崎学園の喜びようが凄かったので何も言えません。おめでとうございます。

安積黎明の声は本当に素晴らしいのですが、その代わり声量が少し落ちます。ですので人数が決められているこのNHKコンクールだと時に不利になります。しかし今日の演奏は本当に素晴らしかったです。銀賞で歓声が起きましたし。嬉しかったのでしょうね。おめでとうございます。

銅賞の二校も良かったです。杉並学院は去年よりも聴き応えがありました。生だったからでしょうか。岡崎高校も賞に入って良かったですが、一度は金賞をあげたい学校です。

発表の後課題曲「青春譜」を全員で歌って放送はここで終わりました。時間通り17:15。


この後講評が審査員のおひとりの片野秀俊さんからありました。
・まず激戦であったということ。
・各々特徴があったということ。
そして他の審査員の方のご意見から。
・五木寛之さん「言葉が聴き取れない箇所が沢山あった」
・信長貴富さん「ディクション捕らわれすぎて音楽が途切れている」
・失念(申し訳ございません)さん「思ったままを小作りしないで表現しましょう」
・多田羅迪夫さん「課題曲は良くないが自由曲が良いという学校が多かった」
審査員全体の意見
・発声が良くなってきているが、もうひと息ノドを開いて歌うと発声が難しい日本語の曲も伸びやかな演奏になるということ。

以上が挙げられました。確かに頷けるご意見ばかりです。特に発声は独自の方法のみならず、ヴォイストレーナーに一度でも見てもらったほうがいいと思う団体がありました。まぁヴォイストレーナーもその学校のカラーを知って、それに対応できる人でないと意味がありませんが。


そして表彰式へ。宮崎学園は嬉しそうでした。インタビューで、
「学校名が呼ばれなくて不安ではなかったか?」との問いに「狙っていました」と女子生徒。男子生徒は「3年間合唱やってて良かった」と答えていました。
安積黎明は元女子高という感じでお行儀良く銀賞の盾を受けていました。
杉並学院と岡崎も銅賞の盾を受けました。
優良校となった学校にもトロフィーが贈られました。

以上で終演となりました。17:30。

皆さま、お疲れさまでした。

 
posted by Toshihiro MIKI at 20:24| Comment(0) | 合唱関係 | 更新情報をチェックする
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